AIイラスト作成環境をつくる
環境構築
Stable Diffusionを使用して画像が作成できる環境を構築しましょう。
以下のチャートに沿って、お持ちのPC、簡単さ、自由度大(複雑)をもとに選択します。
UIの選択
Stable Diffusionは、コマンドにプロンプトなど画像生成に使用する設定を引数として渡すと、画像を出力するプログラムです。
コマンドに渡す引数(設定値)が沢山あり、プロンプトなどは長いと何百文字となります。
入力ミスもありますし、分かりにくいためGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)をフロント側、Stable Diffusionをバック側として使うのが一般的になっています。
フロント側は、AUTOMATIC1111 WebUIが事実上の標準となっていますが、他に「ComfyUI」、「SD.Next」、「InvokeAI」、「Fooocus」などがあります。
クラウドサービスは、SeaArt.AIやTensorArtのようにフロント側を独自のUIで作成しブラウザで使える用にしています。
StabilityMatrix
Windows、Macに関わらずStable Diffusionを自分のPCで動作させるためには、
- 指定されたPythonのインストール
- 必要なPythonライブラリのインストール
- Gitのインストール
- Stable Diffusionをgit clone
とPythonやPCの詳しい知識が必要でした。
しかし、StabilityMatrixを使えば、AUTOMATIC1111、ComfyUIなど複数のフロントを
- ダウンロードと解凍
- ワンクリック
でインストールが完了し、ワンクリックで各GUIが起動します。
また、インストールするフロントUIを選択することもできますし、複数のUI間で、学習モデルやLoRAなどを共通で使用・管理することができます。
クラウドサービス
クラウドサービスは、自由度と価格を合わせてて比較するのですが、「Google Colab」、「Paperspace」を使う場合には、Python、gitを含めた知識が必要です。
Pythonの知識がない場合には、「生成AI GO」一択です。
海外には同じようなサービスを提供している会社もありますが、価格も生成AIの方が安く、日本語で問合せが出来るため安心です。
Pythonの知識がある場合には、「Google Colab」、「Paperspace」を使うことで、自分の思い通りの環境を作成することができます。ただし、「Google Colab」では起動に15分程度かかり、その間もコンピューティング・ユニット(購入した時間)を消費します。
Paperspaceは、月額8ドルですが無料のマシンに空きがあることは保証されていません。最悪は時間単位の有料マシンを使うか、無料マシンに空きができるまで待たなければなりません。また、ディスク容量が15GBと少なく、沢山の学習モデルやLoRAをアップロードするとディスク使用料もかかります。
生成AI GO
「生成AI Go」は、最短20秒で起動するAUTOMATIC1111に、必要な拡張機能などがインストールされた状態で提供してくれるクラウドサービスです。
アカウント登録(クレジットカード必須)も1分で終わり、全てを含めてもアクセスから3分でWebUIを使い始めることができます。
また、日本の「株式会社フューチャースタンダード」が提供しているため、問合せもすべて日本語でできます。
残念なのが、拡張機能フォルダにファイルをアップ・編集したい拡張機能が使えないことです。
Google Colab
Google Colabは無料ワクの提供もありますが、WebUIのようなリモートアプリを使用する場合には、有料プランのみとなります。
有料プランは、コンピューティング・ユニット(CPU、GPUの負荷で消費する)をどのように取得するかの違いとなります。「Proプラン」、「Pro+プラン」は月額制ですが、毎月提供されるコンピューティング・ユニットを使い切ると「Pay As You Go」で追加のコンピューティング・ユニットを購入しないと使えません。
Pro、Pro+に加入してもコンピューティング・ユニットが割引されるわけではないので「Pay As You Go」一択で良いのではと思います。
Paperspace
PaperspaceもGoogle Colab同様無料プランがありますが、無料プランで無料マシンを確保できたことがありません。
月額8ドルのプランで提供される無料マシンは、2023年5月には一度も取れませんでしたが、6月以降は毎日6時間は確保できています。
ただ、ディスク容量が15GBと少なく、
- 学習モデルやLoRAを沢山置いたり
- SDXL1.0など、SD1.5用など環境を分けたり
するとディスク使用料が必要です。
Pythonの知識、Linuxコマンドの知識(画像の圧縮、モデルダウンロード)があれば、一番快適に自由度最大限で使えます。
まとめ
AIイラストを作成する環境は、手軽さ、自由度、価格を考えると「生成AI GO」をお勧めします。
拡張機能フォルダへファイルをアップロードしたり、アップロードしたファイルを編集する必要のある拡張機能(Dynamic PromptでのWildcard、EasyPromptSelector)を、どうしても使いたい場合はPaperspaceの選択も有り得ます。
また、「Generate Forever」ボタンで、ほったらかし大量生成する場合は価格優先でPaperspaceをおすすめします。
